和泉元彌一家にインタビュー
忙しい4人の健康法に迫る

 


  (左から)和泉節子、淳子、元彌、三宅藤九郎の皆さん(撮影・古川裕也)  
(12月23日掲載)海外公演を積極的にこなす狂言の和泉流宗家一家。2003年は前年に続き、サンフランシスコ(バークレー)、ロサンゼルスと、カリフォルニア州2カ所での公演を行うなど、ベイエリアでは、もうおなじみの顔になった。日本の舞台のみならず、テレビ、ラジオ、また海外公演と、忙しく過ごしているが、体力面や精神面など、疲れを感じることはないのだろうか。和泉流20世宗家、和泉元彌さん、2人の姉の和泉淳子さん、三宅藤九郎さん、そしてプロデューサーであり母である和泉節子さんにそれぞれの健康法や食生活、「家族」について聞いてみた。以下は一問一答。
【徳山美帆】
 

健康でいないと、心から笑っていただける演技はできない

―健康法を教えてください。

節子さん(以下敬称略)=健康でないと、皆さんに心から笑っていただける演技はできないと思います。とにかくよく食べて、よく寝ることを心掛けています。
淳子=食が一番大切。3食をおいしくいただくことが、リラックスの方法であり、私の健康法です。
藤九郎=家族でみんな一緒に動いているので、家がそのまま移動している感があります。もちろんスタッフや弟子たちがいますが、そこが家庭になるので、皆さんが思われるよりもストレスというのは少ないですね。だから、わりとタイトなスケジュールでも、健康でいられるのかもしれません。
元彌=ぼくは、あまりストレスはたまらない方ですね。(海外公演で)移動時間が長いからとか、食べるものが違うからといってストレスを感じることもありません。そういう意味で柔軟性があるのかもしれません。移動時間には寝ています。だから、移動時間が長いと、むしろうれしいですね。何よりも、能舞台に立って演じていると、疲れやストレスを忘れてしまいます。でも狂言以外のことで、これだけ移動したりというのはできないと思いますね。狂言のためにやってるからできるのかも。狂言が演じられて、笑いが返ってきて、移動時間が長ければ、笑顔でいられます。
舞台後の食事が一番おいしい

―食生活について教えてください。

節子=日本にいるときは日本食を毎日、食べています。海外にいて日本食というのは難しいことですので、野菜をたくさん取るように心掛けています。そして、お魚をいただくようにしています。海外に行くと、国によって魚料理がまったく違う形で出てくるので、それを楽しみにしております。
淳子=日本にいるときは日本食が中心ですが、海外に出ればその土地のものを食べるようにしています。米国で食べた普通のハンバーガーが本当においしかったのを覚えています。あと甘いものが好きなので、米国に来るとたくさん甘いものを食べられるのがうれしいですね。
藤九郎=舞台の上で体を動かすためには、食べることを大切にしています。だからダイエットとは無縁ですね。3食しっかりいただいています。でも、辛いものは苦手なので、その分姉と一緒に甘いものを食べ歩いています。また、その土地でしか食べられないものがあるので、それが楽しみですね。楽しんで食べないと、おいしいものも栄養にならないですしね。
元彌=ぼくは丈夫にできているんで、辛いものでも甘いものでも大丈夫です。ただ、自分に合わないものは絶対に食べません。小さいときから、(日本)各地へ行ったり、海外公演に行ったりして、いろいろなものを食べさせていただいているので、自分に合うもの合わないものが分かってるんですね。だから無理して食べるということは絶対にしません。また、海外でも地方でも、一番おいしいのは舞台が終わったあとの食事。だから、遅くてもおいしい料理が食べられるところがあるかどうかというのが、その土地のイメージを決めていますね。
ありがとうと感じたときに伝えることが大事

―和泉一家にとって「家族」とは何ですか。
節子=約2年前までは、この4人が家族でした。4人のときは、一卵性双生児のように、目や空気で相手に気持ちを伝えることができました。そこへ、婿が増え、嫁が増え、ベイビーが1人増え、2人増えてきました。今は新しい家族が増え、全部で3世帯になりました。私は、外から見ると、一つの家族だけれども、中から見るとそれぞれの家族があるという家族を理想としています。この状態で、孫がどんどん増えていけばいいなあと思っております。
淳子=私たちは、それぞれの家庭があって、その家族同士が狂言というきずなで結ばれています。私は、それを常に心掛けていますし、その一員としてみんなとうまく調和していきたいです。1人ではできないことが大勢集まればできるし、それだけ大きなエネルギーになります。自分の家庭では、夫は違う仕事を持っていますし、子どもも増えたので、家の中で会話をするようにしています。きちんとコミュニケーションを取れるように、いっぱい話していたいです。
藤九郎=私たちの家族には、それぞれの役割というのが家族の中にあって、それをお互いが補い合っています。また、普通に生活していても「狂言が一番大事」という考えを共通して持っているため、自然にそういう(狂言を中心とした)家庭になっています。その考えが、(元彌さんや淳子さんの)小さい赤ちゃんたちにも分かるように、自分はおばだから、ではなく、家族の一員として、教えていかなければいけないと思っています。役割を押しつけ合うのではなく、お互いが考えて行動していきたいです。
元彌=新しく家族を持って、子を持ちましたが、元の家族は変わらないし、変わってはいけないと思います。(元の家族と)増えた人たちが一緒になって、さらに強いつながりでいなければいけないのだと思います。同じ家に住んでいなくても、むしろ離れたからこそ、小さいころから一緒にいた家族を信じていなければいけないのではないかなと。あとは、感謝することがあったら、素直に口に出した方がいいなと思っています。家族っていて当たり前、やってくれて当たり前っていうところがあるので、あんまりありがとうって言わなくなってしまうことがあるじゃないですか。でも、そのときどきに伝えることが大切。言っておけばよかったって後悔するのは嫌ですし、家族であっても、また分かっていると思っていても、ありがとうと感じたときに伝えることが大事なんじゃないかなって思っています。キャプション